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Dec.06,2003/赤朽葉の頃
 コナラやアベマキの多い丘陵が柿色に染まっています。モミジの紅葉も華麗で美しいですが、赤朽葉色の山肌が、見え隠れする陽の光に赤や黄を微妙に加減させながら、刻々と変化する様は世事をすっかり忘れさせてくれます。
 万葉人を喜ばせたのは山河を黄色く染める黄葉現象で、オオモミジやヤマモミジなどの真っ赤に染まる紅葉を詠んだものは稀なのだそうです。その頃の山は、大いに燃料や農耕に活用され、黄葉の美しいコナラなどの落葉樹の二次林だったことを想像させます。
 モウソウチクに駆逐され、松食い虫で枯れた倒木が散乱する荒れ放題の現代の里山に比べれば、古の山ははるかに詩心をくすぐるまさに錦繍を粧う風景だったのでしょう。