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1999年6月
・昨日の神戸は、送り梅雨に典型的な落雷混じりの集中豪雨となり、神戸海洋気象台の記録では1日の降雨量が180ミリで、1897年の観測開始以来3番目の降雨量を記録したとのことです。このため、新港川の氾濫、長田区の土砂崩れなどの災害がありました。しかし、本日は昼過ぎから晴れ間が広がり、北東の空には(雄大積雲に近い)積雲が発生し、梅雨明けも間近な感じです。
短時間でしたが、所用のついでに田んぼ周りを歩くと、イヌビエ、コニシキソウが開花していて、アメリカイヌホオズキには黒い実が付いていました。そして、雑草地の中でアオダイショウを踏みつけそうになりビックリ。この辺りでは、シマヘビは時々見かけますが、アオダイショウは初めての確認で、驚くやら嬉しいやらの出来事でした。 (1999年6月30日記)

・神戸も、梅雨末期らしい激しい雨の降り方です。近くの明石川もかなり増水し、水位は高水敷を越えています。この雨の中を、アマサギは水際の草地で、水位の低い中州の際では、コサギ、チュウダイサギ、アオサギが餌を求めていました。
名ばかりの我が家のベランダの隅に、半ばほったらかし状態だったローズマリーが花を咲かせました。枝振りに似ない可憐な姿と色合いに、雨の日の鬱陶しさを暫し忘れました。そして、花を見て、シソ科であることも納得しました。 (1999年6月29日記)

ローズマリー


・スーパーの本屋さんを覗いたら、「クワガタムシ・カブトムシ」(吉田賢治著、成美堂出版)という本が山積みになっていました。日本産のクワガタムシとカブトムシの全種・全亜種についての綺麗な図版と解説があり、しかもクワガタの主な種の幼虫の形態写真まで付いていて、1200円という超お買い得です。昆虫の専門雑誌「月刊 むし」の通常号は70頁足らずですが、クワガタムシ特集号ではなんと220頁を越えてしまう程の昨今のクワガタムシブーム。この本は、こんなご時世の恩恵の一つでしょうか。1999年6月27日記)
 
・ニイニイゼミも鳴き始め(神戸市西区平野町岩岡神社)、いよいよ夏本番です。雨も一休みの一日となり、チョウトンボ、タイワンウチワヤンマ、ヒメアトスカシバ(岩岡神社付近)、ナガサキアゲハ(同中津)など多くの昆虫が見られました。数日来の雨の恵か、ヒメオトギリ、イシミカワ、ネジバナ、マルバハギ(以上、岩岡神社付近)、マメダオシ、メグサハッカ(平野町印路)、イタドリ(玉津町新方)など色々と開花を確認できました。1999年6月26日記)

ネジバナ ヒメアトスカシバ

・6月10日頃から、神戸市西区平野町印路の水田近くの荒地に、いかにも帰化植物風のピンク色の花がチラホラと咲き始めました。その植物は、すっと伸びた四角い茎の上部に散形花序を付け、葉は全円の十字対生という特徴的な形態なので、直ぐに名前も解るだろうと思い、帰宅後手持ちの図鑑をいくつか繰ってみましたが、なかなか該当する種がありませんでした。その後、これは北アメリカ原産のリンドウ科のベニバナセンブリ(アメリカホウライセンブリ)という帰化植物であることが解りました。今日、再びここを訪れたところ、花はまさに盛りを迎えていました。(本種の同定には、金沢至さんを介して岡本素治さんにお世話になりました。どうもありがとうございました。)1999年6月23日記)

ベニバナセンブリ

・岩岡神社(神戸市西区平野町)の盛りを過ぎたブタクサの群落には、発生のピークでしょうか、マメコガネが多数見られました。ため池の土手に生えるヒメジョオンにベニシジミが3頭吸蜜に来ていましたが、アカメガシワの葉に止まったり、ヒメジョオンに戻ったりと何か落ち着かない様子でした。やはり、アカメガシワの葉の上で交尾行動が始まり、直ぐに交尾が成立しました。なお、神社付近では、サカキの花を確認したくらいで、新たな開花はありません。また、同印路付近の明石川の土手のヤブガラシには、セグロアシナガバチ、ミカドドロバチ、チビドロバチ、ツマグロハナアブ、マルガタアブなどが吸蜜に集まっていました。1999年6月20日記)

ベニシジミの交尾行動

・このコーナーで、5月30日に紹介した水田(神戸市西区玉津町)の様子を見に行きました。イネは順調に活着し、1株10枝ほどに分けつの進んだイネもあり、その周りにはウキクサやアオウキクサが随分増えていました。ウキクサ類の上で、キクヅキコモリグモが餌の小昆虫類を待ちかまえている様子でしたが、あいにくの雨でヒメアメンボの幼生の他には、昆虫の気配はありませんでした。水中ではホウネンエビやカイミジンコが泳いだり、イネの葉にサカマキガイが張り付いたりと、水田の生物も次第に顔ぶれが増えていくようです。除草剤で枯れ野になっていた畦にも、マメグンバイナズナやイヌガラシなどが再生し、名に恥じぬ頑強さ?でワルナスビの花も今盛りでした。1999年6月19日記)

分けつの始まったイネ ワルナスビ
ウキクサ類の上のキクヅキコモリグモ ホウネンエビ

・10日ぶりに岩岡神社(神戸市西区平野町)を歩きました。神戸地方も梅雨入りしたものの、ほとんど降雨がありません。それでか草木には勢いがなく、アカメガシワが新たに開花した程度です。林の中を歩くと、黒い翅に白いラインも鮮やかなホタルガ(写真下左)があちこちにゆらゆらと飛んでいました。そして、林縁ではホシミスジも見られ、ため池の土手に咲いているテリハノイバラの花弁には、アオガネヒメサルハムシが群れていて、花弁を食べていました。また、この花には、イチゴハナゾウムシも見られ、こちらは花芯部に潜り込んでいました。
一方、同印路付近の明石川の河原に生えるヤナギでは、1頭のコムラサキが産卵場所を探しているのか、執ように木の周りを飛んだり、中に入り込んだりするので、卵があるのではと枝先を見ていくと、モクメシャチホコの幼虫(写真下右)が葉の上にいました。威嚇の姿勢なのか、V字バランス。せっかくの保護色が無意味に思えます。この河原の土手のヤブガラシも、チラホラと花が咲き始めました。1999年6月16日記)

ホタルガ モクメシャチホコ
幻想的な雰囲気が漂います このV字バランスにはどんな意味があるので
しょうか?


・早朝、神戸市西区平野町印路付近の草地を歩いてみました。夜露に濡れた草には、まだ目覚め前の様々な昆虫類が見られました。その状況を、「周辺スケッチ」のページにUPしましたのでご覧下さい。付近はほとんど樹林は無いのですが、時折ホトトギスの声も聞こえました。ここで、草木の新たな開花はありませんでしたが、帰り道に同中村の県道沿いで、メマツヨイグサの花が咲いていました。1999年6月13日記)

・今日は、車の移動のついで程度の観察で終わりましたが、シマスズメノヒエ(神戸市西区伊川谷町)、シロバナシナガワハギ(同平野町印路)などの開花を確認できました。西区伊川谷町周辺のケヤキの街路樹の葉に、丸い虫こぶが目立つようになりました。これはケヤキハフクロフシという虫えいで、ケヤキヒトスジワタムシというアブラムシの一種の寄生で出来るとのことですが、密度の高いところではスズメがこれを捕食する場合もあるようですので、観察の機会があれば面白そうです。1999年6月10日記)

・先日イカルチドリを観察した西区平野町印路付近の明石川の河原に、20分少々座り込んでみました。今日は、イカルチドリの他に、コチドリ(写真下)も近くに現れました。チュウダイサギも観察したかったのですが、コサギ、アオサギ、ヒヨドリを見てすぐにタイムアウトとなりました。近くの土手では、早々とアキノエノコログサが穂を出していました。そして、クズの群落の上を一瞬飛んだ青い大きめのシジミチョウは、たぶんウラナミシジミだったでしょう。1999年6月9日記)

コチドリ


・雨上がりの暑い陽気に、タマムシやカナブン(神戸市西区平野町印路)も飛び始め、昆虫の世界も夏に突入です。また、ため池周りの湿地部ではイ、コウガイゼキショウ、ツユクサ(神戸市西区平野町印路)が、畑の縁にヒルガオ(神戸市西区神出町宝勢)も咲きました。明石川の落ち込みでは、コサギが時折淵にジャンプしながら、小魚(オイカワ?)を狙っていました。1999年6月8日記)

コサギ


・昨夜から雨となり、やっと昼過ぎに小降りになりました。神戸市西区平野町中津付近の明石川の河原を歩くと、雨に濡れた植物の陰にモンキチョウ、ツバメシジミ、ベニシジミなどが休息していて、川岸のオランダガラシの群落にはモンシロチョウが多数集まっていました。そして、ヨウシュヤマゴボウもいよいよ開花しました(写真下)。さらに、耕作地周りの畦道では、トゲチシャ、ヘラバオオバコ、イヌビユ、イヌホオズキ、サナエダデが咲いていました。1999年6月7日記)

ヨウシュヤマゴボウ


・梅雨入り前は変わり映えのしなかった草木も、俄に活発になりました。ビロードモウズイカの巨大な花を筆頭に、ヒルザキマツヨイグサ、ノアザミ、エノコログサ、ネジキ(以上、神戸市西区平野町岩岡)、テイカカズラ(同神出町宝勢)、クサヨシ同玉津町新方などの花が一気に咲き出しました。そして、チガヤの銀白色の穂があちこちの草地で風に揺れています。昆虫類では、ヒカゲチョウ、コシアキトンボが姿を見せ始め、ウスバツバメガも蛹になりました(以上、神戸市西区平野町岩岡)二十四節気・芒種1999年6月6日記)

・例年のパターンですが、梅雨入り宣言が出たと思ったら晴れ模様の一日となりました。でも、先日の雨でヒメジョオン(西区平野町印路)、アジサイ、キバナカワラマツバ、シナダレスズメガヤ(同神出町宝勢)、アメリカセンダングサ(同平野町中津)が咲き始め、夏の花には慈雨となったようです。土曜日で努め休みの兼業農家が多いからでしょうか、平野町から神出町周辺の水田はあちこちで田植え作業が行われており、夕方にはあっという間にあたりはすばらしい水辺の出来上がりです。早速、コサギ、アマサギ、チュウサギ、ケリ(同平野町岩岡)などが集まっていました。また、同平野町中津付近の明石川の河原も歩いてみました。州の周辺ではイカルチドリ、キアシシギ(写真下)、トビ、コサギ、アオサギ、チュウダイサギ、セッカ、スズメ、、ツバメ、キジバト、ホオジロ、カワラヒワ、ムクドリなどが見られました。(1999年6月5日記)

キアシシギ


・周りに緑地の全くない神戸市西区王塚台の住宅街で、アスファルトで塗り固められた路面とブロック塀との小さな隙間に、数株のメイシバがもう花序を広げていました(本来は、7月頃より開花するようです)。乾燥に強く繁殖力の旺盛な種とはいえ、町中に生きる植物の力強さには驚きます。1999年6月4日記)

・もう梅雨入りしたようです。本日はかなり蒸し暑く、時に雨の降る日よりです。マテバシイ(神戸市西区竹の台)やクリ(神戸市西区玉津町)の花が咲き始め、木々も初夏の雰囲気が少し感じられるようになったようです。1999年6月3日記)

・草本類の花を探しながら西区平野町印路付近の明石川の河原を歩きましたが、ヤブガラシの蕾が膨らんでいた以外には目新しい変化はありません。川が合流する礫の多い州に辿り着くと、イカルチドリ(写真下)が数羽鳴いていました。ここではコチドリ、イソシギ、チュウダイサギ、コサギ、アオサギ、ツバメ、ハシボソガラス、セグロセキレイ、ヒヨドリ、キジバト、ホオジロ、カワラヒワなどが見られました。1999年6月2日記)

イカルチドリ1 イカルチドリ2


・阪神高速北神戸線から見える山並みの緑も一層深まり、サクラ、ツツジ等で染められた頃の木の花の彩りは少なく、ちらほらとヤマボウシ(北区八田町)やネズミモチ(西区伊川谷町)の白い花が見られる程度で寂しいです。相変わらず草本類の花も少ないですが、第二神明の玉津ICを降りた所(西区玉津町小山)で、ヤナギハナガサの紅紫色の花が目に飛び込んできました。1999年6月1日記)