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1999年7月
・オオマツヨイグサは最近少なくなっているそうですが、自宅近辺でもメマツヨイグサが圧倒的に優勢のようです。数日前、国道175号線沿い(神戸市西区神出町南)でオオマツヨイグサの群落を見かけたので、本日早朝に撮影に出かけましたが、既にしぼみかけている花が多いでした。帰りがけに寄った明石川の河原は、ここ数日の雨で植物にも少し精彩が戻ったように見えましが、タチメドハギの花がチラホラと咲き始めた他は、新たな開花はありません。クズのブッシュ周りでは、セスジツユムシ、アオドウガネ、ウスバキトンボ、スジグロシロチョウ、キチョウなどの昆虫が見られました。オオオナモミの葉にハムシに食害されたような跡があるので、辺りをよく見てみるとブタクサハムシが沢山付いていました。関西では1997年頃から、大阪の淀川などで生息が知られるようになったようですが、自宅周辺ではなかなか出合う機会がありませんでした。(1999年7月31日記)

 

オオマツヨイグサ
セスジツユムシ ブタクサハムシ


・帰宅途中、阪神高速7号線の箕谷ランプ付近の山中(神戸市北区山田町)にリョウブが咲いていました。この花は、昆虫の好きな樹木の花の代表ですが、自宅付近は低標高地で、この花を身近に見られないのが残念です。セメントで塗り固められた高速道路の路肩付近に、フサフジウツギもしっかりと花を咲かせていました。(1999年7月27日記)
 
・夏休みもそろそろ退屈になり始めた子供を連れて、昨日は雌岡山(神戸市西区神出町)を散策しました。すっかりビリジアンに染まった樹木の勢いと、真夏の熱気には圧倒されます。汗だくで歩き続けても、アキノタムラソウ、ノアザミ、蕾のオトコエシ以外に花はありませんでしたが、林縁で淡いグリーンのナツフジの花房を見つけて、やっと清涼感に浸りました。草の葉に羽根を休めるツマキリエダシャクも、渋い色合いで辺りの暑苦しさを少しは忘れさせてくれました。(1999年7月26日記)

ナツフジ ツマキリエダシャク

 
・数日前、神出宝勢(神戸市西区)の一号池を通りかかり、ハスが咲き始めているのに気づきました。早朝見に行くと、すでに(バス・ヘラ)釣り客の車が10台以上集結していました。岸際に花がないので、ズームで挑戦しましたが、今一つ。満開の花では、セイヨウミツバチが盛んに吸蜜していました。帰りがけ、明石川の高水敷を歩くと、ちょうどトゲジシャの花が盛りのようでした。(1999年7月25日記)

ハス トゲジシャ

・空の雲も、すっかり真夏の気配です。今にも夕立が来そうな雄大積雲が、岩岡神社(神戸西区岩岡町)の北西に浮かびました。参道沿いに歩くと、ノギランが花を咲かせていました。山地に多い花と思いますが、標高100mも無い低地にあるのには驚きです。今日はいつになく、社寺林の林床にムクドリの群があちこちで地面を漁っています。草の上を歩くたびに、2cmにも満たない変態直後のヌマガエルが、やたらと目に付きます。鳥さん達の狙いはこれだったのですね。(1999年7月21日記)

盛夏の空! 
ノギラン ヌマガエル

一昔前までは、あちこちで見かける夏の花の代表だったオシロイバナも、最近少なくなったように思います。昨日、神戸市西区玉津町上池で、車の窓越しにこの花を見て、今夏初めてだったことに気づきました。本日、所用で通りかかった玉津町西河原の堤防のセイバンモロコシも、穂を広げかなりの丈になっていました。同伊川谷町潤和では、早々とトキワススキの穂が出ていました。(1999年7月19日記)

・最近、道路沿いなどに、メマツヨイグサの黄色い花が目立っています。昼間はしぼんでしまうので、早朝撮影に出かけました。目星をつけていた平野町中津(神戸市西区)の明石川の河川敷でも、多くの株が花を咲かせていました。これ以外の花の開花は相変わらず少ないのですが、コゴメバオトギリ、ホシアサガオの新たな開花がありました。水際では、セリの真っ白い花も咲いていました。早朝とあって、活動中の虫は殆どありませんが、マダラスズのジージージーという連続音やキリギリスのギー ギー チョンという声が草むらから聞こえてきました。(1999年7月17日記)

メマツヨイグサ

所用の道すがら、櫨谷町福谷(神戸市西区)の櫨谷川沿いを通りかかったので、車を止め暫く堤防を歩くと、コガネグモの雌を見つけました。最近、お散歩コースでもめったに見ることがないので、嬉しいでした。かなり目立つ生き物なのに、見る機会が殆ど無いということは、生息数がかなり減少しているのかも知れません。鹿児島には、このクモ2匹を棒の上で戦わせて、勝負を競う伝統行事「クモ合戦」があります。400余年前、島津義弘公が朝鮮の役の陣中で兵士の士気を鼓舞するために、コガネグモを集めて戦わせたのが始まりだそうです。この雌の体長さは2p以上なのに、雄は5o位と随分小さいので、よく考えるとこれは「女相撲」だったのですね。当時の兵士は、このことを知っていたのでしょうか?
1999年7月14日記)

コガネグモ

昨夜、遅い帰宅となり、自室近くの階段の踊り場でニホンヤモリを発見。薄汚れた壁とそっくりの体色で、外灯近くの壁面にへばりついて、虫が来るのを待ちかまえている様子です。背中のデイパックからビデオカメラを取り出し、レンズを向けた途端に逃げられてしまいました。ここは5階建ての集合住宅で、隠れ家となるような隙間(構造)は殆ど無いのですが、町中にも何とかすみかを見つけて生きているのに驚きました。夜遅くビデオカメラを持って彷徨くと、何かと誤解のもとになりそうなので、今夜は妻を従え外灯周りを再チェック。残念ながら姿形もありません。カメラに収まるまで、暫く日課となりそうです。
独断の梅雨明け宣言をした途端に雨となりました。太平洋上に熱帯性低気圧が発生し、前線を擽っているようです。世の中、上手く行かないものです。1999年7月13日記)

 

梅雨も明けた(私の判断では6月30日)ようで、雄大雲が一段と発達して、青い空に沸き上がっています。岩岡神社ではニイニイゼミの鳴き声も増え、クマゼミも鳴き始めました。空蝉を探して歩きましたが、ヒノキの幹でやっと一つ見つかりました。林縁の草の葉の上で、マダラアシナガバエがチョウバエの一種を捕食しているのを見ることが出来ました。最近、植物の新しい開花情報がほとんどありません。寂しいので、サナエタデにカメラを向けました。(1999年7月11日記)

サナエタデ ニイニイゼミの空蝉
マダラアシナガバエ

 久々に雌岡山を歩きました。コナラなどの広葉樹の葉は我も我もと枝葉を広げ、林道沿いののり面はネザサや草本類にすっかり覆われ、一面の濃い緑が夏の日差しに照り返っています。樹林のあちこちから、ニイニイゼミのチィーという鳴き声も聞こえます。オカトラノオやウツボグサの花は盛りを過ぎ、梅雨明けが近いのを教えているようです。代わって、アキノタムラソウが木漏れ日のスポットライトを浴び、林縁の主役になろうとしていました。シャシャンボも小さな白い花を付け始めています。
玉津町(神戸市西区)の水田のイネも順調に育っています。一株が25本程に分けつし、背丈も45p位に成長。積雲の浮かぶ夏空の下、葉も一段と濃さを増しました。1999年7月9日記)

オカトラノオ アキノタムラソウ
イネも順調に育っています

所用のついでに、竹の台1丁目(神戸市西区)にある、250m四方ほどの調整池を取り囲んで作られた公園(竹の南公園)を歩いてみました。花はかなり少なく、ヨメナ、ネムノキ、ホテイアオイなどが目新しい開花でした。エゴノキの枝には、白緑色の実が沢山付いていました。池では、タイワンウチワヤンマ、チョウトンボ、ショウジョウトンボ、コシアキトンボなどの止水で発生するトンボが多いでしたが、流水性のハグロトンボも樹木の陰に少し見られました。用水路の流れ込みで発生しているのでしょうか。水生植物を増やすなど、上手く整備すれば、色んなトンボが集まってくるかも知れません。(1999年7月7日記)

なんと、クマゼミが羽化しました。一般には、7月中旬頃から姿を見せるようですが、随分早い出現です。最近は、昆虫の出現や植物の開花時期が、かなり早くなっているように感じますが、やはり温暖化の影響でしょうね。林縁では、ヒメヤブランの淡紫色の花が、次第に数を増してきました。つい、カメラを向けたくなる淑やかさです。先日、マムシの死体を見て、不安になった野原はすっかり草刈りされ、子供が伸び伸びと走り回れるようになったのは良いのですが、(随分勝手ですが)野歩きの楽しみは激減しました。その故か否か、開花情報も、やっとオオニシキソウを追加できたに過ぎません。(以上、神戸市西区平野町) (1999年7月4日記)

クマゼミ ヒメヤブラン


 

・岩岡神社付近では、林縁にヒメヤブランが、ため池の土手にはヘクソカズラが花を咲かせました。背丈の大分伸びたタチメドハギに、クロオビツツハムシが多数発生していて、交尾中の個体なども見られ、随分と賑やかでした。さらに、林の中のウメノキゴケの生えたサクラの立ち枯れに、ヤツメカミキリ、ナガヒラタムシ、フトナガニジゴミムシダマシ、ヒメオビオオキノコなどが集まっていました。なんと驚くことには、田んぼの畦にマムシの死体があるではないですか。今まで、こんな所にはマムシなんかいないだろうと、子供の野遊び場として草むらなどを勝手に走らせていましたが、ゾッとしてしまいました。最近、段々とヘビにご縁が出来てきたようです。今度は、ヤマカガシかな?(以上、神戸市西区平野町) (1999年7月2日記)

ヘクソカズラ ヤツメカミキリ
クロオビツツハムシ