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2000年3月

・早朝、明石川(神戸市西区平野町印路)を覗いてみる。中州の泥の貯まった草の間で、小さな鳥がチラチラする。黄色いアイリングが鮮やかなコチドリだ。冬場はイカルチドリとセグロセキレイが独占していた川岸に、コチドリの群も加わって益々賑わいそうだ。 (3月29日記)

コチドリ

 

・久しぶり北風も弱まって、暖かな日和。モンシロチョウも畑周りで飛び回っているのがあちこちで見られるようになった。胸部の鱗粉がかなりはげ落ちたキタテハも、体を癒すかのように草原で日光浴をしてる。日毎に野草の開花が増えて来て、今日はレンゲの登場だ。(神戸市西区神出町紫合) (3月27日記)

レンゲ キタテハ

・畦道も俄に青草で覆われてきた。その草の狭間に青っぽい花が目に入る。ノジスミレだ。良く見れば草丈の低い株がいくつかあって、それぞれ草に埋もれるように咲いている。セトガヤも花序が出始めた。(神戸市西区神出町紫合) (3月26日記)

ノジスミレ

・水田周りの冬鳥も、ツグミを除いては殆ど見られなくなった。ツバメの数も少しずつ増えて、主役も次第に夏鳥に変わるのだろう。明石川ではアオアシシギが餌取りに夢中だ。春の旅鳥も楽しい季節のようだ。川岸のネコヤナギは、銀色の毛の間から蕊を伸ばして、黄色い葯が風に揺れている。(神戸市西区平野町印路) (3月25日記)

アオアシシギ
 

・お彼岸の中日、北風が冷たいものの、陽の光が眩しいくらいの良い日和となった。つくしを見つけた畦に子供を走らせる。野の草もセイヨウタンポポ、オランダミミナグサ、カラスノエンドウ、スズメノヤリが開花の仲間入り。ヤブツバキも少し咲き出した。ベニシジミやモンキチョウも飛び出して、もうすっかり春の気配だ。(神戸市西区神出町宝勢) (3月20日記)

ヤブツバキ オランダミミナグサ
セイヨウタンポポ ベニシジミ


・彼岸に入った畦道は、オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ、ホトケノザ、コハコベの花が一層賑やかに咲き出した。このところの雨が慈雨となったのか、つくしも小さな頭がチラホラ伸び始めた(神戸市西区平野印路町)。除草剤まみれの環境では、ほろ苦い野趣を味わえないのが少し残念な気きもする。 (3月17日記)

つくし
 


・このところ植物の成長が著しくて、駐車場の雑草もアスファルトの間隙から日毎に草丈を伸ばしている。野山の木々も気になる。雌岡山(神戸市西区神出町)の林縁の落葉樹を見て回る。ガマズミやカエデの類は少しずつ展葉を始め、新緑の小葉が初々しい。きつね色の毛を纏ったヤマウルシも、少し葉芽が膨らんできた。 (3月15日記)

ヤマウルシ カラスザンショウ


・草木の生長を促す春の雨を、芭蕉は「春雨や蓬を伸ばす艸の道」と詠んだ。このところの雨は正しくそんな恵みとなったようで、畦道にはコオニタビラコやノゲシの花が咲き出した。スズメノカタビラやスズメノテッポウも、もうじき穂を出しそうな気配だ (神戸市西区神出町紫合)。平野町西戸田ではキタテハが飛び始め、♂が盛んに♀を追っていた。 (3月13日記)

コオニタビラコ(春の七草の一つ、ほとけのざ)


・冬鳥も旅立ちの季節だ。ため池に集まるカモの種類も数も随分少なくなった。ジョウビタキのテリトリーにもその姿はもう無い。じきに雨の降り出しそうな早朝の明石川周辺の田んぼには、めっきり数の減ったツグミが餌を啄んでいる。枯れ木に止まったその姿は、昨秋の渡来直後のほっそりとした容姿もすっかり何処かへ消え去り、旅立ちに備えてしっかり脂肪を蓄えグラマーになっていた。栄養補給に余念のないオオカワラヒワを眺めていると、川岸からウグイスの初鳴きが聞こえてきた。 (神戸市西区平野町印路)。(3月11日記)

ツグミ
 


・ため池の近くに廃屋があった。それを取り囲んでサクラやカラタチなどの花木が、人の住んでいた証となっている。その木々を見て歩くと、日当たりの悪い北側の隅にロウバイが遅い盛りを迎えている。ボケも桃色の丸い蕾が膨らみ始めていた。岸辺を覗くと、ノイバラの葉芽が大分大きくなって、小葉が伸びていた。春も一歩ずつ進行している。(神戸市西区神出町田井)。(3月10日記)

ロウバイ ノイバラ

 
・三寒四温とはよく言ったもので、ここ数日の暖かな日よりも寒い北風に何処かへ吹き飛んでしまった。時々黒い雲が出てきて、雪も舞った。それでも木々の葉芽は春の気配をしっかり感じて、いっぱいの毛を纏った芽の一つ一つが伸び始め、漸く「木の芽張る」季節の到来だ。(神戸市西区岩岡町岩岡)。(3月8日記)

イヌビワ             アカメガシワ  


・今日も暖かな良い天気となった。ベランダで洗濯をしていた妻が、洗濯物にしがみついたままのクビキリギスを持ってきた。キリギリス類では珍しく成虫で越冬する種。そろそろ活動を始めたようだ。鳴く虫は秋が主流だが、この虫は春の温かい夜にジィーンと鳴く。もうじき、高音で耳にツーンと響く鳴き声が町中でも聞かれだろう。かなり移動力のある虫で、秋に渡りをするという。この頃、周りに緑の乏しい自宅の階段の隅に止まっているのを見るのは、こうした所以のものだろう。(神戸市西区王塚台)。(3月7日記)

クビキリギス

 


・先週半ば過ぎから俄に春めいてきて、今日の最低気温は今年最高の9.5℃(神戸海洋気象台発表)となった。昨日のかなりの降雨で、土壌も柔らかくなり「すごもり虫、戸を開く」の啓蟄にはお誂え向きの日より。田んぼの畦を見て歩くと、ナナホシテントウが交尾を始めている。この穏やかな陽気で、再び花の勢いをつけたホトケノザの群落の中に、ナズナも花柄がかなり伸びてきた。(神戸市西区神出町宝勢)。(3月5日記)

ナナホシテントウ ナズナ


・立春を過ぎてもなお白いものがちらついたり、正しく遅春の日々であったが、本日は高気圧も張り出しようやく春らしい陽気となった。ヌートリアもため池の浮巣の上で毛繕い、バンは群で岸し際までやって来て採餌に夢中。いきものの活動も俄に春めいた気がする(神戸市西区神出池田)。(3月1日記)

ヌートリア バン