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2000年6月

・早朝、水田沿いの道を車で走っていると、土手の周りを沢山のジャコウアゲハがフワフワと飛んでいる。その辺りを見回せば、食草のウマノスズクサが随分枝葉を伸ばしている。直ぐに近くで前蛹や蛹も見つかった。名文の蝶類図鑑で名高い横山光夫のこの蝶の蛹の解説に「蛹はお菊虫と呼ばれ、後手に縛された姿にも似て口紅に似た赤い斑点さえもひとしお可憐である」とある(神戸市西区平野町)。 (6月24日記)

ジャコウアゲハの前蛹(左)と蛹(右)

・6月3日に神出町でミズイロオナガシジミの羽化を確認してから、何度か付近を探したが撮影のチャンスがなかった。今朝、露に濡れるコナナの葉の間に潜んでいるのを見つけ出して、ようやく撮すことが出来た。最もポプュラーなゼフィルスの一つで、クヌギなどの孤立木でも発生するから、食樹が残っていれば都市公園などでも見るチャンスがあるかも知れない。どの程度の自然環境まで生息できるか知りたい昆虫の一つだ(神戸市西区平野町)。 (6月22日記)

ミズイロオナガシジミ(神戸市西区平野町) ツヤバネベニボタル(神戸市西区平野町)

 

・びしょ濡れの草むらに、小さなトンボが無数に止まっている。ため池で発生したアオモンイトンボだ。これに限らず、昆虫が沢山羽化する季節だけに、コガネグモやドヨウオニグモがあちこちに網を張って待ち伏せている。ヤマトシリアゲやマガリケムシヒキなどの小さな昆虫を捕食する昆虫類も段々増えたように思う。そんな草むらに白いアザミが咲いている。ノアザミの白色タイプだ。これは珍しい。他に、カワラマツバやホソバノヨツバムグラなども開花していた(神戸市西区平野町)。 (6月18日記)

ノアザミ アオモンイトトンボ

・梅雨の朝は全てが朝露に濡れている。少し黄ばみ始めたスイカズラの花も、水滴を被って生気が戻ったようだ。「雨後の筍」の言葉通り、マダケも雨の恩恵を大いに受けて、皮の落ちかけた若竹の先端の形状は、満ちあふれる生命を具現化した形に思えてくる(神戸市西区岩岡町)。 (6月14日記)

スイカズラ マダケ
 

・梅雨入りした明石川の河原を歩く。ヨウシュヤマゴボウやヤナギハナガサの花が咲き、ヤブガラシも大分蕾が膨らんできた。盛りを過ぎたツメクサ類の群落の周りで、コマツヨイグサの淡黄色の花が目立っている。ヘラオオバコは長い花茎の先に小さな白い花弁を付けている。水際でアゼナルコも1株見つかった(神戸市西区平野町)。 (6月10日記)

ヨウシュヤマゴボウ ヤナギハナガサ

・二十四節季では芒のある穀物を蒔く時期、芒種である。平野町や岩岡町の水田も、この1週間で殆ど田植えが終わり、農耕も暦通りに進んでいるようだ。畦は、田植え前に雑草が綺麗に除草されてしまうので、ここで野草を探すのはさすがに難しい。水田やため池の縁に僅かに残る緑地に目をやれば、スイカズラ、テイカカズラ、クロガネモチ、ネジキなどの木本類の花がひっそりと咲いていた(神戸市西区)。 (6月8日記)

ネジキ
 

・久しぶりに入梅も間近の明石川の河原を歩いた。クズが瞬く間にツルを伸ばし、草丈の低い植物をすっかり覆い尽くしている。ホソムギ、カモジグサ、ツルヨシなどのイネ科植物も優勢で、花も盛りのようだ。そんな地味な草地にアカバナユウゲショウ、ヘラバヒメジョオン、ツツルマンネングサ、マンテマなどのピンク、白、色、赤の花弁が色を添えている(神戸市西区平野町)。 (6月3日記)

アカバナユウゲショウ ヘラバヒメジョオン