珍鳥は見られなくても、街に生活する鳥類の面白い生態が観察出来るかもしれません
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わー! オオワシだ! |
いつも通る観察ルートを車で流していると、集落の付近でカラスの群が鳴き騒いで いる。その近くの電柱に目をやった。直ぐに、黒っぽい大きな猛禽が目に入った。 大きい黄色い嘴。オオワシだ!。奇妙な違和感に、暫く現実の出来事に思えない。 震える手で、車の中からまず証拠写真を1枚写した。少し動揺が治まった気がしたの で、静かに車を出てスーコープをセットして観察を始めた。少しずつ近づきながら、デジカメ のシャッターボタンを何度も押した。ドキドキしているのはどうやらこちらの方ばかりで、流石 に巨鳥、人の気配など気にせぬ様子である。10mほど近づいた所で、ようやく落ち着いて観 察を開始したのだった。 オオワシは日本では冬鳥で、北海道や東北地方に分布し、西日本では稀な猛禽類で ある。神戸までやって来たのには驚きだ。西神戸のため池地帯で確認できたのは、この 鳥が魚類を主な餌とするからだろうか。確認地点の近くには中程度の大きさのため池が幾 つかあり、ミサゴやカンムリカイツブリなどの魚食の鳥類が良く見られる場所だから、この推 理もそう的はずれではないだろう。 手持ちの文献で兵庫県の記録を調べてみた。(兵庫野鳥の会、1990)「兵庫県野鳥 目録・兵庫の鳥」によれば、城崎郡竹野町、姫路市の2例が、(神戸新聞出版セン ター、1984)「兵庫の鳥」には、宝塚市、豊岡市の2例が記録されているだけの、 県内では極めて稀な鳥類の一つであるようだ。 21日と22日、再会を期待して確認した場所の周辺を探したが、どこにもその姿を見 ることは出来なかった。 鋭い目差しと大きく黄い色嘴が、今だ脳裏に焼き付いて離れない。 〔確認状況/神戸市西区神出町紫合/2002年1月19日〕 10時2分:電柱の最上部に止まっているのを確認。 10時26分:ハシボソガラスが集まりだし、近くの電線に止まる。 10時28分:ハシボソガラスの威嚇が始まる。 10時31分:ハシボソガラスがオオワシの右翼を突く。 10時31分:直ぐに上空に飛び、次第に高度を上げながら大きな旋回を続け、南西 方向に移動し視界から消える。この間5〜6羽位のハシボソガラスがモビング を続ける。 15時49分:午前中に確認した地点より35m西の電柱の最上部に止まっているのを 確認。 15時55分:脱糞をして、南東に飛び立つ。15時55分:脱糞をして、南東に飛び立つ。 |