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ダルマガエル
  梅雨の頃、神戸市西区の水田を夜歩るくと「ギュウ」、「ギュウ」という鳴き声が聞こえる。これはトノサマガエルに良く似たダルマガエルのなわばりの合図である。
 ダルマガエルは四国(香川県)、本州(山陽、近畿、中京、東海)に生息するが、生息環境が減少したことから、現在では生息地はかなり限られ、レッドリストの絶滅危惧U類とされている。神戸市ではほとんど絶滅寸前と考えられていたが、1997年に西区で再記録され、その後の調査によって同区の水田や河川周辺の各所で生息が確認されている。
 身近に貴重なカエルがいると知って、何度か撮影に挑戦したが、このカエルは人の気配になかなか敏感で、歩く先から田んぼの水の中にポチャンと飛び込んだり、イネの株の陰に隠れてしまうので、写真どころか姿を見ることさえ容易でない。田んぼの脇の水路の溜まりを網で掬えば捕まえることもできるが、これでは自然な写真は撮れない。しかし、良いチャンスがある。稲刈り直後である。遮蔽物のすっかり無くなった田んぼの中を歩くと、ちょっと日陰になった所や、小さな水たまりにダルマガエルが簡単に見つかる。お彼岸の頃は、年に一度の絶好の観察好機である。
(観察:神戸市西区神出町/2001年9月24日)

水上の揺りかご   ヌートリア
 春の陽気に、ヌートリアの幼獣もプラットホーム(浮き巣)の上で
のんびりと昼寝です。
 加古郡稲美町の野村池で去年ヌートリアを確認していたので、久
しぶりに様子を見に行きました。池の縁を歩いていたら、水面を泳
いでいる成獣(写真下右)を確認しました。この個体の出てきた岸
付近のアシの群落に目をやると浮き巣があり、この上で幼獣3個体
が丸まって昼寝をしている(写真下左)のを発見できました。
さらに近づくと、1頭は巣の外へ泳ぎ出してしまいました。
 本種は、年2〜3回出産し、1回に1〜12子(平均5.9子)生むよう
です。この巣にいつまで留まっているのか観察したいものです。
                         (観察:1999年3月31日)
浮き巣 泳ぎ出す成獣

アマガエルの初鳴き
アマガエルも活動を始めました。
この春、本種を神戸市西区で確認したのは3月25日でしたが、本日(
3月28日)西区岩岡町竜ヶ池で鳴き声(初鳴き)も確認できました。
昆虫類の活動も日増しに目立ってきましたが、昆虫類を餌にする動
物も次第に動き出したようです。
カエル類やトカゲ類などの小動物の活動が本格化すると、これらを捕
食するヘビ類もまもなくお目見えでしょうか。
(写真は、岩岡町岩岡神社付近で確認した個体:1999年3月28日)。

 春ですね カスミサンショウウオ 

卵嚢
いよいよ、カスミサンショウウオの産卵シーズンです。
写真は、3月3日に淡路島(洲本市)で確認したものです。
確認地点(写真右下)は、ため池から引き込まれた用水路の方形の
調整漕(水深40cm位)です。イネ科の枯れ枝に、卵嚢(写真左上)が
6個付いていました。さらに5m上方の調整漕では、抱接行動中の2
個体(写真中下)ともう1個体(写真左下)が確認されましたが、ここ
には卵嚢はありませんでした。

成体

抱接行動

環境

キツネの落とし物

 キツネは里山の代表的哺乳類の一つですが 、 西区では「こんな所に」と思うほど住宅地のかなり近くでも時折その姿を見かけます 。 僅かに残るコナラ・アカマツの丘陵地、水田、ため池、時に人家付近のゴミ捨て場に餌を求めて徘徊しているのかもしれません。 西区はため池が多く、 堤や水田の周りはキツネの好む原野に近い環境となっていることから 、 ここを主な生息環境としているのでしょう。事実、ため池の堤で姿を見たり、糞を見つけたりすることがあります。是非、巣穴も見つけて見たいものです。

左の図は、「小さな動物学者のための観察ブック」(熊谷さとし、1996)よ
り拝借しました。
最新のキツネの記録
(1)神戸市西区神出町大鳥喰池の堤/草地に出来た踏み跡(獣道?)に径2cm、長さ8cmほどの筒状
糞1個が落ちていた。内容物はほとんどがコガネムシ類(クロコガネ?)だった。おそらく 、人気のない
畦道の縁に立っている街灯の下に座り込んで、次々に目の前に落ちてくるコウチュウ類を食べていた
のだろう。 [1998年5月10日、メッシュコード5234-0788] 
(2)神戸市西区平野町大畑/早朝 (4時50分頃)県道487号線を横切り 、 西側の人家に移動した1個
体 (成獣) を車で移動中に目撃した 。 (明け方に何度か姿を見ているので 、 早朝は観察のチャンス
です。)  [1998年5月11日、メッシュコード5234-0759]