飛騨/河合村・清見村(夏・草)

再び、飛騨の河合村から清見村の野山を歩きました。前回は春5月で、淑やかな色合いの
花が多く、森も静かな雰囲気でした。ブナ帯の植物も7月ともなると、青、赤、黄、白とカラフ
ルな花で満ち溢れ、そこには沢山の昆虫たちが集まり、森の周辺も随分華やいでいました。
造成地ののり面などの何気ない雑草地でさえ、ウツボグサやヒメジョオンなどの花で埋め尽
くされ、素晴らしいお花畑に見えるのは山地独特の清冽な空気の恩恵でしょうか。 
標高1000m付近では、タマアジサイやハナチダケサシの花が盛りでした。ハナチダケサシは
トリアシショウマに似て、花弁がへら型で、中部地方に見られるショウマの仲間です。この辺
りでは、オオバギボウシもまだ蕾のものもありました。林縁のあちこちに、ヤマオダマキが淡
紫色の市女笠に埋めた淡黄色の顔を、恥ずかしげに俯かせて、時に微風に揺れています。
アカソも緑の葉と帯赤色の雌花序の取り合わせがお洒落です。傾きかけた日差しに、ダイ
コンソウが一輪、花弁を輝かせていました。(観察:1999年7月16日)


  

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タマアジサイ   オオバギボウシ
ヤマオダマキ    ダイコンソウ
アカソ ハナチダケサシ

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