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1999年10月
・神出町宝勢(神戸市西区)の水田の側を車で通りかかると、紅紫色のヒユ科の群落が目に留まった。日没間近い光に、長い穂が段々黒紫に染まって行く。帰宅後図鑑をひもとけば、ホソアオゲイトウの希に見られる色変わりのタイプらしい。(1999年10月31日記)

ムラサキアオゲイトウ


・ソメイヨシノの木の天辺で、「カカッ カカッ」という鳥の鳴き声がする(神戸市西区岩岡町)。ジョウビタキの雄だ。冬鳥も水鳥の他に、こうした小鳥の種類も段々と増えてきそうで楽しみだ。場所柄、夏鳥が期待できないので、これからの季節が嬉しい。(1999年10月30日記)
 
・アサギマダラが標高の低いところでも見られる時期になり、各地で再捕獲のニュースが賑やかだ。雌岡山(神戸市西区神出町)にも集まっていないかと気になっていたので、時間を作り登ってみた。林道沿いは綺麗に草刈りされ、一株のヨシノアザミの他に、 花は全く見られない。アサギマダラも。ガッカリする。タカでも出ないかと上空を見るとハイタカが飛んでいた(午後12時15分)。周りを見回せば、ソメイヨシノの葉は殆ど落ち、モミジバフウの落葉が美しい。帰りに神出町田伊のため池を少し歩く。又左衛門池でヤマラッキョウを見つけた。小鳥喰池を覗くと、カンムリカイツブリが時々水中に潜ったりしていた。(1999年10月28日記)

ヤマラッキョウ モミジバフウ

 
・とうとう早朝の散歩もフリースが必携になった。少し背を丸めて水田周り(神戸市西区平野町印路)を歩く。ようやくコウヤボウキが咲き出した。他に新しい開花がないのは寂しい。続けて岩岡神社(神戸市西区岩岡町)に足を伸ばす。社寺林のアベマキで、オオスズメバチが僅かにしみ出している樹液をなめている。越冬に備えての栄養補給だろうか。竜ヶ池の岸では、イシミカワの果実が綺麗な瑠璃色に染まりだした。(1999年10月24日記)

イシミカワ コウヤボウキ
 

・今朝はこの秋一番の冷え込みだったようだ。これに刺激されて、新しい開花があるかもしれないと、付近(神戸市西区平野町印路)の水田周りを少し歩いてみる。直ぐに、微風に揺れる白い花序が目に付いた。コバナノワレモコウだ。この付近で、久々に遭遇した野草らしい花なので嬉しい。ヤノネグサも開花して、秋の花も一寸動き出したようだ。
10月半ばまで、時に真夏のような日もあった所為か、植物の狂い咲きがあちこちに見られる。自宅周辺でも、モチツツジ、ソメイヨシノ、アンズなどが咲いている。ヒナギキョウが咲いていたのも同じ理由かもしれない(1999年10月19日記)

コバナノワレモコウ モチツツジ


・朝晩がかなり涼しくなってきたので、初ガモを期待して近くのため池を見回る。大池(神戸市平野町中津)でヒドリガモ(28羽)、カルガモ(15羽)、コガモ(5羽)、キンクロハジロ(2羽)、ハシビロガモ(1羽)を見ることができた。その他、カイツブリ、カワウ、イソシギ、アオサギ、コサギ等も来ていた。岩岡町の竜ヶ池なども覗いてみるが、カモ類の姿はなかった。 (1999年10月17日記)

ヒドリガモとハシビロガモの混群


・ 久々に早朝の野辺(神戸市西区平野町印路)を歩いてみる。昨夜の雨で、足下は少し歩くだけでびしょ濡れ。秋の花もまだまだ足踏みが続いて、さほど変わり映えはしない。アメリカセンダングサに代わってコセンダングサが花盛りで、ため池の縁にはシロノセンダングサが数株花を咲かせているのが目新しい程度。あれほど優勢だったヨモギも急速に枯れ始め、株の下半分くらいはもう黒変している。水田では腹部の膨れたエンマコオロギが、地面をあちこちと彷徨いている。そろそろ産卵の季節なのだろうか。(1999年10月16日記)

エンマコオロギ

・ 飼育中のオオカマキリの腹部が日に日に大きくなってくるので、産卵するのではと皆で期待していた。今朝、飼育かごを覗くと、縁に卵塊が付いていた。時にソーセージを与えていたので、ピンク色をしているように思うのは気のせいだろうか。狭いかごの中で、綺麗な形に産卵したのには感動だ。(1999年10月14日記)

オオカマキリの卵塊


・ 運動会の代休の子供を連れて、王子動物園へ行く。夜行性の動物を展示した真っ暗毛のコーナーを抜けると、10月にしてはあまりにもまぶしい日差しの下にフタユビナマケモノがいた。微動だにしない毛の塊を眺めていると、1羽の鳥が水飲み場にやってきた。むちむちと肥えたからだに派手な黄色の喉・・・これはソウシチョウ(相思鳥)だ!東南アジア北部〜中国原産だが、飼鳥として輸入されたものが抜け出して野生化し、近年六甲山系で繁殖しているという。一瞬、展示しているのかと思ったが、太めの金網から、ナマケモノ舎の水桶を目当てに出入りしている様子。声は良く聞くのだが、なかなか姿を見られない鳥なので嬉しい出来事となった。(1999年10月12日記)

ソウシチョウ


・近くの水田(神戸市西区玉津町)に、稲刈り後の様子を見に行く。ヌマガエルがあちこちに飛び跳ね、100羽以上のドバトの群れが餌を啄んでいる。新しく咲き始めた花はないかと、飢えた犬のように畦道を彷徨くが、セイタカアワダチソウ、トキワハゼ、ヒメジソ、ウリクサ、シロバナサクラタデ、タカサブロウ、オオバコなどの花はあるが、新顔はなかなか見つからない。元々多様性に乏しい町中の自然は、どうやら時々足踏みするようだ。
先日まで元気だったカブトムシだが、俄に朝の冷え込みが厳しくなった10日(神戸海洋気象台発表の最低気温は16.2℃)、もう動かなくなってしまった。(1999年10月11日記)

ウリクサ


・10月の声を聞くのは難しいと思われていた、飼育中のカブトムシとノコギリクワガタは長寿記録を更新中だ。彼らには、出来るだけ暖かい日が続く方がいいのだろう。同居のヒラタクワガタ、コクワガタ、シロテンハナムグリの方も元気である。(1999年10月8日記)

カブトムシとノコギリクワガタ


・所用のついでに岩岡神社のウスバツバメガを見に行く。北西の風がかなり激しく、草木が間断無く揺れている。ウスバツバメガは数匹見つかったが、激しい風に耐えて、サクラの幹や枝にしがみついている。柔な羽根は強い風に煽られ、根元付近から折れそうになってる個体が多い。(1999年10月3日記)

ウスバツバメガ


・自宅のある集合住宅の階段に、ウスバツバメガの死骸が転がっていた。もう、そういう季節だ。明日、蛹を確認している岩岡神社に、舞姿を見に行こう。(1999年10月2日記)